アホな時計屋とその客

〜これまでのあらすじ〜

時計の電池交換に行った店。
爪がきれいじゃないおばさんの対応。
「フタが堅すぎてあかないんですよ。
swatchは簡単にあけられるはずなのに、
ちょっとこれは直営店へ持っていった方が」

おかしい。子供向けの腕時計だ。
子供さえ電池交換できるってウリなのに。
…と思って
店を離れてからいじっていたら、すんなり開いた。

〜そして、改めて〜

翌日、同じ店に行った。
あのときにいなかった おにいさんが手際よく交換する。
おばさん、いないと思ったら
同じような体格の客を相手していた。
「ほんっと、助かったわ〜」と
太くなった手首に合わせてもらった腕時計を眺めていた。
どうも、技術料なしで調整してもらえたようで。
ディオールの8万のセーターをひっかけちゃって
治すのに6000円もかかったの」
「このサンダルのヒールの底も、3000円もかけて張り直したの」
「ほんっと、たすかったわー」


…世の中、本当にいろんな人がいるんだなぁ。
物の価値は値段だけじゃないのにね。
そして、モノは人を選んでいるような気がします。
大切に扱わない人からは、早く逃げようとしているように見えたね。