はじめて考えるときのように―「わかる」ための哲学的道案内

はじめて考えるときのように―「わかる」ための哲学的道案内 (PHP文庫)
文も絵も装丁も、すばらしいものになっていると思う。
読んでいて、とても惹かれ、わくわくしてよかった。
(制作者の“いい本をつくろうと目指したしっとりと篤いきもち”はあとがきで語られていた。)


インクは茶色で、文章と絵の双方が紡ぎだされている。
(挿絵のない本もちゃんと読む卓には
「こういうの好きだねぇ」と言われちゃったけど。)
最後まで読み終えちゃうのがもったいなくなるくらい。


最後の、6章がすき。本の中ではAPRILだ。

(略)それを見えるようにしてくれる力が、ひととの出会いにある。
 自分が常識と思っていたこと、そうして見えない枠として自分をしばっていたこと、それを共有しないひとが現われる。最初、それは非常識なひと、変なひとに思えるかもしれない。だけど、それが変だと感じることで、はじめて、自分があたりまえだと思っていたことを自覚するようになる。見えない枠が見えるようになる。